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「恋の予感じゃないの~?」
放課後のこと。
帰りに寄ったファストフード店でオレンジジュースを啜りながら千花ちゃんに昨日芦原くんとの間にあったことを話すと、千花ちゃんはニマニマしながらそう言った。
お昼休みは教室に戻って残していたお弁当を食べたらあっという間に予鈴が鳴ってしまって、千花ちゃんに事情を話す時間はなかったのだ。
「お菓子までくれるのやさしーじゃんね、芦原くん」
「そこだけじゃん……」
恋の予感、なんて。
相手は"あの"芦原くんだ。
女の子ならだれでも良さそうだし。
噂の真意はわからないけれど、昨日の、わたしに対する距離の近さから考えても手慣れているに決まってる。



