「……やっぱ、慣れてる」
「ん?」
こぼれた言葉に深い意味なんてなかった。
芦原くんの耳には届いていなかったようで、聞き返されたわたしは首を横に振った。
ただ、わたしの心の声が洩れただけ。
「ううん、何も言ってない。お菓子ありがとう、千花ちゃんと分けて食べます」
「千花ちゃんって誰?」
「わたしの親友!」
「ふうん。じゃ、俺は教室に戻るわ」
「そんなあからさまに興味無さそうにしないでくれます?」
「敬語やめてくれます?」
敬語ハンターみたい。
そう言えば、芦原くんは「なんだそりゃ」って笑っていた。



