「な…っう……っはぁ!?」
「うはは、耳真っ赤だ」
咄嗟に耳元を抑えて芦原くんと距離を取る。
からわれてる。
わたしの反応を見て楽しんでるんだ……!
それに加えて誤解を招くような言い方。いよいよ誤魔化しがきかなくなってしまいそうだ。
「っあ、悪趣味!」
「それ褒め言葉?」
「ちがうっ!」
「わー必死」
「必死ってそれは芦原くんが……っ」
「まあまあ、そう怒んなよ。お菓子あげるから、ほら」
ポケットから取り出した個包装のクッキーを差し出される。
わたしはそれを乱暴に受け取って芦原くんの腕を引っ張った。
これ以上周りに変な誤解をされるわけにもいかないし、強制的にでも場所を変えないと。
「あれ。ひろって意外と積極的?」
「ちがう!」
「うはは」
もう、芦原くんといるとホント調子狂うからイヤだ……!



