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「───え、会長のお姉さん?」
何十種類のパスタが記載されているメニューを見つめながら、芦原くんが「そう」と短い返事をした。
今日はイルミネーションを見に行くことがビッグイベントだけど、その前にちょっと腹ごしらえを、ということで、スパゲッティ専門店にやってきた。
「知り合ったのは会長が先だけど、気づいたら茜はそっちとも仲良くなってたから、俺もよくわかんねーんだよなぁ」
芦原くんを待っている間に、吉良くんに会ったことを話すと、吉良くんが待ち合わせをしていたのは会長のお姉さんだということが判明した。
「だからどこかで見たことあるって思ったのかぁ……」
「実際顔は似てるしな。えー、てかめちゃくちゃ種類あるなこのお店。ミートソースは安定だけど、明太クリームも有り……」
「あれ?でも芦原くんも生徒会室に出入りしてたのは会長に会うためだよね?」
「いや、保健室でサボりすぎて怒られたから週1くらいの間隔でソファ借りに行ってただけ。うわ、カレーソースとかもあんの、うまそう…」
「でも……前に頭撫でてたし……」
「なあ、ひろもう決めた? ナポリタンの目玉焼きトッピング、数まで選べるっぽいんだけど5個くらい乗せ、」
「それは絶対1個でいいと思うよ!?」
トッピングの目玉焼きって1個だから美味しそうに見えるものだと思う。
いっぱい乗せるのが美味しいとは限らないんだよ?と諭すように言えば、「わかったよ……1個にする」としぶしぶ頷いていた。



