「さっきの続き。無理すんなとは言ったけど、」
「……ぬ、う?」
芦原くんの指先が伸びてきて、むに、優しく頬をつまんだ。
何をされているのか理解が追い付かない。みょーんとわたしの頬を伸ばしながら、芦原くんが続きを紡ぐ。
わたし、今、へんな顔してないかな。
「嫌なことはちゃんと言えるようにしておかないと、そのうち悪いやつに捕まっちゃうかもな」
「…わるい、やつ…?」
「そ。例えば───…俺とか?」
頬をつまんでいた手が、流れるように今度はわたしの唇をなぞる。びく、と肩が揺れた。
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