「えっと、吉良くんも、誰かと待ち合わせ?」
「うん、まあちょっと」
「あ、もしかして彼女とか…」
「んー、二瀬さんに教えるにはまだ早いかなぁ。純情を壊しちゃいそうだから」
「うん……?」
……もしかしてわたしのことまた遠回しに小学生って言ってる?
ムッとしながらも、吉良くん的にあんまり聞かれたくないことなのかもしれないから、それ以上自分から聞くのはやめておいた。気になるけどしょうがない。
「まあ、焦んなくても玲於といればそのうち分かるんじゃない?」
「え?」
「あ、来た」
意味深な言葉をかけられたところで、吉良くんが待ち合わせしていた人が来たみたいだ。
吉良くんの視線に釣られるように目を向けると、大人びた美人な女の人が小走りで向かってきた。