保健室で、モテすぎ問題児くんに甘い噛みあとを付けられました。






「…っ、芦原くん」

「ごめん、ひろ。今日はちゃんと納得できるまで帰せないよ」




走ったせいか、ふわふわの金髪は少し乱れていた。三白眼に捕らわれる。瞳のなかで、わたしが揺れていた。





「俺も、思ってること全部言う。だからひろも、嘘つかないで本当のこと言ってよ」





……芦原くん。

わたし、本当はきみに言いそびれたことがたくさんあるよ。



勝手な思い込みで判断したことも、嘘をついたことも、後悔したことも、たくさん。


今日の千花ちゃんとのお泊まりで相談に乗ってもらおう、知恵を貸してもらおうって思ったりもしていて。それから向き合ってみようと思っていたんだ。





こんな急展開、きっと誰も予想していなかった。