「…っ、芦原くん」
「ごめん、ひろ。今日はちゃんと納得できるまで帰せないよ」
走ったせいか、ふわふわの金髪は少し乱れていた。三白眼に捕らわれる。瞳のなかで、わたしが揺れていた。
「俺も、思ってること全部言う。だからひろも、嘘つかないで本当のこと言ってよ」
……芦原くん。
わたし、本当はきみに言いそびれたことがたくさんあるよ。
勝手な思い込みで判断したことも、嘘をついたことも、後悔したことも、たくさん。
今日の千花ちゃんとのお泊まりで相談に乗ってもらおう、知恵を貸してもらおうって思ったりもしていて。それから向き合ってみようと思っていたんだ。
こんな急展開、きっと誰も予想していなかった。



