イルミネーションに彩られた街並みを歩きながら、あたりを見渡して、頭から離れないあの子の姿を探す。




夢見ちがちなことだって、バカらしいことだって分かってる。


それでも、運命ってやつが本当にあったとして──偶然ばったり会ったりしないかなって。






「……は、まじか……?」






駅に続く歩道沿いにある、この辺りじゃ有名なケーキ屋が並ぶ道。



一軒のケーキ屋の看板を見つめる深いブラウンのロングコートを羽織る女の子の姿をとらえた時、思わず声がこぼれた。





半分冗談、半分本気で、期待していたんだ。

もしかしたら────本当に会えるんじゃないかって。