12月に入ったあたりから街はクリスマス仕様になっていたけれど、クリスマスイヴを明日に控えた今日はより活気を感じる。
見渡す限りイルミネーションが施されていて、クリスマスケーキやチキンなどを売り出しているお店も多く見受けられた。
思い返せば、さっきまでいた喫茶店の入口もリースが飾られていたっけ。
「そういえば、今年は永野とイルミネーション見に行かないんだって?」
「…あ、うん」
千花ちゃんとは行かない。
芦原くんと約束しているから。
だけど、わたしが芦原くんに距離をとってしまったから、その話は停滞したままだ。
「すぐそこだし、このままちょっと寄ってみる?」
この街を彩るイルミネーションは、クリスマスの醍醐味。
きらきらしたものが大好きで、イルミネーションは何度見ても飽きない。これまでのわたしだったら、「行きたい!」って食いついていたんだと思う。
……だけど、今年のイルミネーションは芦原くんとみるって約束だったから。
もし、もう他の女の子……会長と約束を入れていたとしても、それはわたしが逃げ続けたことによる自己責任。
わたしが七海と喫茶店でのんびり過ごしていた間だって、芦原くんはお女の子といた可能性だって十分あるんだから、もうそんなこと考えるのは今更だ。
振られちゃったら……って思うと怖いけど、後悔するのも悩むのも、ちゃんと向き合って答えを受け止めてからにする。
「ご、ごめん七……」
「……っ待った、やっぱ今のナシ!」



