誰といても、どこにいても、芦原くんのことばっかり考えてしまうんだ。
好きだ、きみのことが。
全部正直に伝えたら、芦原くんはどんな顔をするのかな。
「あのさぁ、二瀬」
「…ん?」
「おまえはいつも、人のことばっか考えすぎなんだと思うよ」
頭に乗せられた手が離れ、七海の手のひらの温度が消えた。
俯きがちだった顔を上げ、七海を見つめる。
もう湯気が立たなくなったアールグレイが、視界の下方に映っていた。
「もっと二瀬の好きなようにすればいいのにって俺は思う。なんでも頷いて、空気を読むだけが良い子とは限んない」
「え…っと、」
「相手がどう思うかより先に、自分がどう思ってるか、どうしたいかを尊重しろよ。人のことばっか考えてたらつかれるじゃん」



