冬休みどこに行く?という話が出た時、映画は千花ちゃん、焼肉は七海が提案してくれたのだ。
「七海のくせにいい案出すじゃん!」と肩をばしばし叩く千花ちゃんに、七海が心底だるそうな顔をしていたのを覚えている。
わたしはてっきり、七海が焼肉に行きたいけどひとりじゃいけないからついでに提案したのかと思っていた。
もちろん、わたしも千花ちゃんもお肉は好きだから、断る理由なんてなかったのだけど。
そう言えば、「おまえはとことん俺を寂しい奴にしたがんのな」と呆れたようにため息を吐かれた。
いやあ、べつにそういう意図はなかったんだけどな。
「……俺は、二瀬が、」
「わたし?」
「……食べて元気になるのが肉かなって思っただけだし」
小さな声で言われたそれにクリームソーダから目を逸らして七海に視線を移す。
ふいっと目をそらされ、「安直で悪かったな」と何故か謝られた。



