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「なあ二瀬」
ふと、七海がわたしを呼んだ。
アールグレイを飲む姿ががやたら様になっていて、私服のせいもあり大人びて見える。学校で話している感覚とは違う。
七海が、少しだけ遠い存在に思えた。
「ん?」と理由を問うようにそう言えば、七海が再び口を開く。
「焼肉、今日はやめてさ、これ飲み終わったら帰んねえ?」
「え?」
「永野もう家にいるんだろ? あいつ多分変に気使って途中参加しなかっただけだと思うし、今度また3人で食べに行こうぜ」
予想外の提案だった。
確かに、もともと3人で行こうと決めていたことだったし千花ちゃんが居た方がもっと楽しいとも思う、けど。
「七海がいいならわたしもそれでいいけど…お肉食べたかったんじゃないの?」
「俺そんな肉好きアピールしてねえだろ」
「ええ? でも焼肉とかいいじゃんって言ったの確か七海で…」



