「玲於はただの悪ガキだよ。ほら、高嶺の問題児って呼ばれてるふたりいるでしょ? あのふたり、よく生徒会の定例会でも話題になってて、先生から「生徒会からも指導してくれ」って言われてて。その兼ね合いで顔合わせる機会が多くて仲良くなったって感じかな」


「はあ、なるほど」


「生徒会室にソファがあってね。玲於、サボリすぎて保健室出禁になったから、時々そこに寝に来てたんだよね。最近は『好きな子が真面目な子だから俺もサボるの控えてる』みたいなこと言ってたけど」


「好きな子ですか」

「そう。まあ、見る限りあの子だよねぇ」





芦原が走っていった廊下を見つめながら、会長が言う。

なるほど、本当にただの良好な先輩と後輩関係だったみたいだ。