「それ以上言うな」と言われているみたいな荒っぽいキスに、思考はあっという間に支配される。
「っん、……っ」
角度を変えて何度も重なる口づけは、呼吸する暇もあたえてくれなくてくるしい。
芦原くんの制服にしがみついてなんとかバランスを保っているものの、手を離したらへなへなとその場に座り込んでしまいそうなほど、わたしは芦原くんのキスについていくのに必死だった。
「はあ…っ、は、あ」
「嫌いなら、もっと抵抗すれば?」
唇を離されたと思った直後、耳元でささやかれた意地の悪い言葉に、かあっと全身が熱を帯びた。
本気で抵抗しようとしてないことも見透かされている。
「俺のこと嫌いなんでしょ。やめてって突き放せばいいじゃん」
「あ、あしはらく…っ」
「あー…でも、ひろはお人好しだから断れないか?」
「ひぁっ、」
首筋にをぺろりと舐められて、ヘンな声が出る。
そのままそこにカリ…と歯を立てられた。少しの痛みを走らせたあと、芦原くんがそこに優しく口付ける。
芦原くんの噛み癖が、どれだけわたしを夢中にさせているか知らないんだ。
ずるいよ、意地悪だよ芦原くん。



