保健室で、モテすぎ問題児くんに甘い噛みあとを付けられました。




「二瀬? 何止まって……げ、」



足を止めたわたしに声をかけようとして、七海も芦原くんの存在に気づいたみたいだ。

よっぽど嫌いなのか、「げ」って思いっきり声に出しちゃってる。




「……七海、わたし忘れ物した…」

「は?」

「ご、ごめん、先に帰ってて」

「ちょ、はあ!? 二瀬!」




芦原くんと目が合う前に、踵を返す。



七海の焦った声には振り向かず、早歩きで来た道を戻った。




わたし、芦原くんにどんな顔をして会えばいいの?


普通になんかできっこない。芦原くんがいつも通り接してくれたとしても、きっとわたしはぎこちなく返しちゃうもん。




同じ土俵に立ててもいないくせに、会長のことをこんなにも敵対視しているってバレたくないから。