「だいたい、二瀬とは全然タイプ違うじゃんあいつ。おまえが好きになるような系統じゃねーんだって。第一金髪ってのがもうありえない、髪の毛痛んで将来剥げても良いと思ってんのか知らないけど。勉強会とかも教えなくたってできるくせになんなんだよ邪魔ばっかしてくるしいつも余裕ぶりやがって…ライバル認定もされてないかと思うと気に食わな……」

「な、七海?」


「なんでもねえよバーカ」




寄りかかって座ってた身体を起こし、七海が机に頬杖をつく。


ふてくされたような声色。



早口でぼそぼそと呟いていた内容は全然聞き取れなかったけれど、察するにバカだのアホだのというわたしへの悪口だと思う。


……いつものことだから、今更気にすることではなくなったけれど。





「どうせくだんないことで落ち込んでんだろおまえ」

「く、くだらなくないもん」

「落ち込んでることは否定しねーのかよ」




あ、と思わず声が洩れると、小さく舌打ちをされた。はあ…と今日3回目のため息まで吐かれる。



舌打ちまでしなくたっていいじゃん。


七海ってホント、意地悪だ。


クラスメイトの女の子たちに接している時の優しさ、ちょっとくらいわたしに分けてくれたっていいのに。