はあ……とため息が零れる。


ため息を吐くと幸せが逃げると言うけれど、今はその感覚がすごくよく分かる。自分の纏う雰囲気が日に日に暗くなっていく感じ。



千花ちゃんは何も言ってこないけれど心配してくれているようで、毎日変わるがわるお菓子をくれるようになった。



冬休みまではの日にちはそう多くなく、教室ではクリスマスやお正月の予定を楽しそうに話すクラスメイトが増えた印象がある。


わたしも、クリスマスイブは芦原くんと約束をしているけれど……とてもじゃないけど、今の気持ちのままでは行けない。



このままじゃダメだけど、どうしていいかわかんない。

好きじゃないくせに、"今まで通り"に接することが出来ない。





わたしは、芦原くんにどうしてほしかったんだろうか。





「う〜……わかんないよ……」

「独り言がでかいやつだなおまえは」




項垂れるわたしに、突然そんな声がかけられる。パッと顔を上げると、見慣れた人物────七海が、呆れたような表情でわたしを見ていた。