「っ、あ……」
「ん? ひろ、どうし……」
咄嗟に立ち上がると、千花ちゃんが不思議そうに尋ねた。
「ご、ごめんなさい、……なんかおなか痛くなってきちゃったから、ほ、保健室いってくるね」
口早にそう言って、ぐちゃぐちゃに包んだお弁当箱を抱えて立ち上がる。
芦原くんと目を合わせたら泣いてしまいそうで、顔は上げられなかった。
自惚れていただけの自分が恥ずかしい。
髪が長くて良かった。
そうじゃなかったら、真っ赤な顔も、泣き出しそうな顔も全部バレバレだったかもしれないから。
「ご、ごめんねホントに……っ、」
「え、ちょっとひろ!?」
千花ちゃんの慌てた声が聞こえたけれど、わたしは振り向かずに階段を降りた。



