保健室で、モテすぎ問題児くんに甘い噛みあとを付けられました。





「……名前呼ぶなって」

「はは、嫉妬?」

「は? まじで黙れよもう」




こんなにフキゲンな芦原くんは初めて見た気がする。

反対に吉良くんはどことなく楽しそうな表情で、これまた初めて見る顔だった。




「今までの子とそんなに違う? 二瀬は」






忘れていたわけじゃない。


芦原くんは、わたしとちがって恋人がいたこともあるし、女の子との関係もきっとたくさんあった人だ。

誰にでも同じだけ優しくて、モテモテの人気者で。





それなのに、ちょっと仲良くなったくらいで、やさしくされたくらいで──芦原くんにとって自分はとくべつな存在になれているかも、なんて。





「うるせえな、そういうんじゃねーから」






勝手に自惚れていたのはわたしなのに──否定されて傷つくなんて、おかしな話だ。