「ん? ひろ、これ食べたいの?」
「えっ」
無意識のうちにじいっと見つめすぎていたようで、芦原くんがわたしの顔を覗き込んできた。
突然の近距離に、心臓がドキッと大きな音を立てる。
「一口あげようか? 意外と美味いよこれ」
「でも、申し訳ないし…」
「今更そんな遠慮は要らねーよ。食べたいか食べたくないかの二択を聞いてるんです俺はぁ」
わざと語尾を伸ばし、拗ねたように口を尖らせる芦原くん。
うっ……不意打ちでかわいい顔をするのはやめてほしいのに。
芦原くんを見ていた理由は、抹茶ティラミスあんぱんが食べたかったからではないけれど、どんな味なのかが気になったいたのは本当。
「た、食べたい……」
小さく紡いで芦原くんを見つめる。
すると。
「はい、あーん」
「は……むぐ、」



