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「そういえば、」
家まであともう少し、というタイミングで芦原くんがふと思い出したように声をこぼす。
「うん?」と首をかしげて続きを問うと、芦原くんは言葉を続けた。
「ひろ、24日って空いてる?」
「え?」
「イルミネーション。見に行く日決めてなかったなと思って。どうせ行くならイブがいいかなって思ってて………っていや、もちろん空いてればの話だけど」
空耳じゃなければ、これは……デートのお誘い…?
しかもクリスマスなんて、夢がいっぱい詰まっている日じゃないか。
ぱちぱちと目を瞬かせ、芦原くんを見つめる。
今わたしの前で話をしているのは、高嶺の問題児。女の子は引く手あまたでモテモテな芦原くんだ。
やっぱり空耳?
自分にとって都合の良いように聴こえてるだけ?
ていうかそもそもイルミネーションって──……
「空いてる…」
「じゃあその日に……ひろ?」
「……お、覚えてるの、わたしだけかと思ってた……」



