芦原くんのジョーダンはきらいだ。
芦原くんお行動とか言葉に、わたしばっかり期待しちゃうのが嫌だから。
「ひろ、目離したら迷子になりそう」
「そんなに子供じゃないもん」
「かわいい子は狙われやすいんだよ、こういう人が多いとこはさ」
「じゃあ千花ちゃんのほうが危険だ…!」
「……ひろってホント……」
「うん?」
「あーもう。俺が言ってんのはそうじゃなくて、」
芦原くんと近い距離でかかわるのはにがて。
芦原くんにはどうってことないことでも、
たとえ他の子に同じようにやっていることでも、
「俺がやだから言ってんの。そばにいてくんないと不安になる」
「っ」
「離れんなよ。約束な?」
───わたしは、こんなにもきみにドキドキしてしまうから。
「……まあ、ホントは手つないでおきたいんだけど」
「っ学校のひとがたくさんいるからだめ!」
「人がいないとこならいいってこと?」
「ちっ……ちが、」
「わかった。人がいるときは我慢する」
「我慢とかじゃなくてっ、」
「はやくふたりになりてえなー」
「芦原くん話聞いて!?」
「うはは、聞いてる聞いてる」
「聞いてないじゃん…!」
本日の校外学習──…“ふたりきり”に注意です?



