「あの……ていうか、会長さんと仲良しなら一緒に帰れば良いのでは……?」
「会長は忙しいみたいなんだよね。いつも何かしら仕事に追われてる感じ」
「な、なるほど…?」
なるほどって、何がなるほどだ。
会長じゃなくたって、芦原くんは女の子の知り合いたくさんいるじゃないか。
わたしじゃなくたって、芦原くんと相合傘してくれる人はきっとたくさんいる。
断らなきゃ。こんな自由人、相手にしてられないもん。
それに、芦原くんと一緒にいるところをもし誰かに見られたら女の子たちに何を言われるかわからないし。
こういうのは距離感が大事。
芦原くんとわたしは正反対だし、ぜったいぜったい関わるべき人種じゃない。
わかってる、わかっていますよちゃんと、ね。
「あの、わたし……」
「……え、なんか雨強くなってね?」



