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千花ちゃんと吉良くんはテスト期間以来話していなかったみたいだけど、グループ決めの際に再び顔を合わせてあっという間に仲良くなったようで。
わたしと芦原くんの後ろで親しげに話をしている。
話の内容までは聞こえなかったけど……すごい楽しそう。
わたしの横にぴったりくっついて歩く芦原くんを見上げ、むう…と口を尖らせる。
他の生徒の視線もあるから手を繋ぐことはなんとか回避できたけど、「近いから離れて歩いて!」に対しては芦原くんが全然引いてくれなかった。
「ひろ、そんなに俺と一緒に歩くの嫌なの?」
「そ、そうじゃないけど……」
「じゃあいいじゃん」
芦原くんが隣にいるのが嫌なんじゃない。
そんなことは1ミリも思ってないけど……。
芦原くんに雑用を手伝ってもらったあの日以来、今まで以上に芦原くんのことを意識してしまって──気が気じゃないんだもん。



