芦原くんの熱と、元々熱を帯びていた体温と、それから布団の温かさで、徐々に睡魔がやってくる。
「……ひろ、寝た?」
意識がぼんやりとし始めた頃。
優しい声が落とされ、釣られるように耳を済ました。
完全に眠ってはいなかったけれど、さっきの出来事の手前、恥ずかしくて寝たフリをする。
「俺、教室戻るから。ちゃんと休めよ」
寝ているはずのわたしにかけられた声。
それから、起こさないようにと控えめにカーテンを開ける音が聞こえ、布団越しにポンポンと頭を撫でられた。
芦原くんの優しさが詰まっていて胸がぎゅうっとなる。
ここで起きたこと全部、夢じゃなかったよね?
芦原くんにもらった言葉も体温も、熱にうかされたわるい夢じゃなかったよね?
わたしは今、芦原くんにとってどのくらいトクベツになれてるんだろう。
「おやすみ、ひろ」
そんなことを考えるも、優しい声に誘われてわたしは眠りに落ちていった。



