「てか、律は電話かけすぎだろ」

「愛乃のスマホに俺の着信履歴がたくさんあるってよくない? 」

「ぜんぜん、よくない」

「あはは、理央、余裕ないね」

「スマホ返して」



 理央の手からスマホを取り返す。



「消去」



 画面をタップして、二人からの着信履歴を削除した。



「あ」



 二人が驚いた顔でこっちを見た。

 喧嘩の元は消してしまおう。二人には仲良しでいてほしい。



「着替えるから、二人は外で待ってて」



 律くんは「わかった」と言って出ていく。

 さすが、律くん。

 私は不服そうな理央の背中を押して、部屋から追い出したのだった。