婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

 何の見返りもなくサーラを助けてくれるルースに、あまり迷惑を掛けないように頑張らなくては。
 そう決意して、ただひたすら道を歩いた。
 それでも、公爵令嬢として暮らしてきたサーラの身体は、それほど頑丈ではない。生い茂った草を掻き分けるようにして森に入ったときには、もう疲れ切っていた。
 歩き続けていた足も痛む。
「ここで少し休むか」
 まだ周囲は暗くなっていなかったが、そんなサーラを見てルースはそう提案した。
「……でも」
 サーラの歩く速度が遅かったせいで、町からそれほど離れていない。追手はまだ来ないとわかっていても、不安になってしまう。
 そんなサーラの不安が伝わったのだろう。
「心配するな。そう簡単には見つからない」
 ルースはそう言うと、サーラの荷物に忍ばせておいた物を取り出して、野営の準備を始めた。
 そんなに多くのものは持ち出せなかったから、最低限のものしかない。開けた場所に木の枝など集めて火をおこし、柔らかい草の上に毛布を敷いて、サーラを座らせてくれた。