婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

「ありがとう、アリス。あなたのこと、忘れないわ」
 何度も別れを惜しんでようやく門前に辿り着くと、ルースが待っていた。
 彼は荷物も何も持たず、身ひとつだ。
 表向きはサーラを隣町の修道院に送り、買い物をして帰るだけなので、仕方ないのかもしれない。
「行くか」
「……はい」
 彼の声に、まだ迷いながらもサーラは頷いた。
「来たときは、ひとりだったそうだな。何事もなかったからいいが、無謀すぎるぞ」
「そうですね。でも、あのときはただ必死で」
 あのときはカーティスから逃れたくて、ただそれだけを思って急いだ。あまりにも急ぎ過ぎて、しばらく足が痛くて眠れないほどだったと思い出す。
「見張りはいないようだな。途中から裏道に入る。少し急ぐが、大丈夫か?」
「ええ。わたしなら大丈夫です。でも、本当にあなたを巻き込んでいいのかわからなくて……」
 まだサーラは迷っていた。