婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

「迎えもよこさずに行方不明になったからといって、こっちが責められる謂れはないよ。しかも、孤児院ではちゃんとルースを護衛につけるんだからね」
 もしサーラがルースと行方不明になってしまっても、孤児院には非はない。
 だから心配はいらないと、キリネは力強く言う。そもそも彼女たちは、サーラが公爵令嬢であり、王太子であったカーティスの婚約者だったということも知らされていないのだ。知らないことに責任を取れというのは、いくら何でも理不尽すぎる。
 チャンスは、一度だけ。
 修道院に戻ってしまったら、もう逃げだすことはできないだろう。
 揺れる心。
 どうしたらいいのかわからずに、サーラは自分の胸に手を押し当てる。
「自分がどうしたいのか、よく考えてごらん」
「わたしが……」
「そうだよ。子どもは親の道具じゃないんだ」
 励ましてくれるキリネと、黙って見守ってくれているルース。
 ふたりの視線を受けて、サーラは心のうちを言葉にしてみる。