婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

 カーティスは、今でこそ反省しているように見えるが、サーラが手に入ったと知れば、また別の人間に心を移すかもしれない。エリーや従姉のユーミナスのことを考えても、きっと彼はそういう人間だ。
「余計なことを考えるな」
 ふと、ルースの声が聞こえてきて、サーラは顔を上げた。
「誰かのために、自分自身を消費するな」
 突然の展開に驚いて、サーラとルースの顔を交互に見つめていたキリネは、ルースの言葉に深く頷いた。
「そうだよ。自分から不幸になることなんてないよ。死にたいくらい嫌な結婚なら、逃げてしまってもいいんだから」
「でも、ここの孤児院に迷惑が掛かってしまったら……」
 サーラを逃がしたと知れば、父は激怒するだろう。そう言いかけたサーラに、キリネは言い聞かせるように言う。
「この辺りは、物騒だからね。旅人が行方不明になることも、珍しくはないんだ」
大切な娘ならそんな地方に預けたりしないし、護衛をつけるはずだというのが、彼女の主張だった。