婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

 それなのに父は、サーラがカーティスを思って身を引いたように伝えていた。だからこそ彼は、あんなにしつこいほど修道院を訪れ、謝罪を繰り返していたのだ。
(ああ……。何てことを……)
 手紙には最後に、修道院を出てカーティスと結婚し、彼の動向を見張って随時報告するようにと書かれていた。
 どうやら国王陛下は、世間的にはエリーのことは伏せるように命じたようだ。たしかに聖女の話題は慎重になるべきことだ。もし本当に聖女たる女性が現れても、疑われることを恐れて名乗り出ない可能性だってあるのだから。
 問題は、カーティスは家を出たサーラを追って王城を飛び出したという、物語にあるような美談にしたことだ。
 父に勘当され、自由を得たと思っていた。
 でもそれは、父の作戦でしかなかったのだ。サーラはあくまでも公爵家の娘であり、今も父の政略の駒でしかない。
 気が付けば手紙を持ったまま、サーラは声を押し殺して泣いていた。
 ただ黙って父の言う通りに動いていた頃なら、その言葉に従っていたかもしれない。