婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

 空を見上げ、雷が遠くに移動した頃を見計らって、そろそろ移動しようと提案してくれた。
 荷物はすべて彼が持ってくれたから、サーラはアリスの手をしっかりと握って、雨でぬかるんだ道を必死に歩く。
「そんなに急がなくてもいい。俺が迎えに行ったから、心配はしていないだろう」
 足取りがかなり危うかったのか、ルースはそう言ってくれた。
 たしかに、ただでさえ歩きなれていない道だ。急げばそれだけ、危険が増えるかもしれない。
「はい」
 素直に忠告に従って、今度は慎重に歩く。
 雨はまだ降っている。
 きっと明日の朝まで止むことはないだろう。
 それなのにサーラの心は、先ほどよりも少し軽い。
 ルースはサーラとアリスを気遣って、なるべく歩きやすい道を選んでくれている。こうして気遣ってもらえるのが、こんなに嬉しいなんて知らなかった。
 夕方近くになって、ようやく孤児院に帰宅することができた。
 ほっとして建物の中に入ると、すぐにキリネが迎え出てくれた。
「ほら、三人とも早く着替えて。風邪を引くよ」