婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

 アリスも同じらしく、サーラの腕にしっかりと掴まって目を閉じている。
 そんなふたりを見守っていたルースは、自分の外套を脱ぐと、それをふたりの肩にかけてくれた。
 冷え切った身体に、温もりを感じる。細身に思えたのに、やはり男性だけあって彼の外套は大きく、サーラとアリスの身体をすっぽりと覆い尽くしてしまう。
 雷からも、他の旅人の視線からも守られる安心感。
「あ……」
 でもこのままでは、彼が冷えてしまう。
 そう思って顔を上げた瞬間。
 再び雷鳴が轟いて、サーラとアリスは揃って悲鳴を上げた。
「いいから、そうしていろ。少しはましだろう」
 ルースはそう言いながら、落ち着かせるようにふたりの肩に手を置いた。
 大きな手の感触が、とても心強い。
 雷が鳴り止むまで、彼はずっとそうしてくれていた。
(温かい……)
 冷え切った身体に触れた温もり。
 不思議な安心感を覚えて、サーラはそっと目を閉じた。

 雨が少し小振りになったとき、他の旅人は先に小屋を出て行った。
 ルースは慎重だった。