今までも何度かアリスと一緒に出掛けたが、怖い思いをしたことは一度もなかった。でもアリスの警戒から察するに、それはとても運の良いことだったのだ。
(わたしは本当に、何も知らなかったのね)
王都から離れた町では、女性がひとりで歩けないくらい治安が悪いなんて知らなかった。
王太子の婚約者だったのだから、もっと国内の状況を把握しなければならなかったのに。それがエリーひとりに翻弄され、学園内の揉め事さえ抑えきれなかった。自分では、とても王妃になんてなれなかったと改めて思う。
「寒いか?」
俯いたサーラに、ルースが声を掛けた。
心配してくれたのかもしれない。
「……大丈夫です。ただ、雷が怖くて」
こんなところで落ち込んで、ふたりに心配をかけてはいけない。
サーラは慌ててそう言うと、そっと窓から空を見上げた。
その瞬間に稲妻が走り、小さく悲鳴を上げる。
昔から雷は苦手だったが、公爵家の大きな屋敷と、この古びた木造の小屋では、感じる怖さは桁違いだ。
(わたしは本当に、何も知らなかったのね)
王都から離れた町では、女性がひとりで歩けないくらい治安が悪いなんて知らなかった。
王太子の婚約者だったのだから、もっと国内の状況を把握しなければならなかったのに。それがエリーひとりに翻弄され、学園内の揉め事さえ抑えきれなかった。自分では、とても王妃になんてなれなかったと改めて思う。
「寒いか?」
俯いたサーラに、ルースが声を掛けた。
心配してくれたのかもしれない。
「……大丈夫です。ただ、雷が怖くて」
こんなところで落ち込んで、ふたりに心配をかけてはいけない。
サーラは慌ててそう言うと、そっと窓から空を見上げた。
その瞬間に稲妻が走り、小さく悲鳴を上げる。
昔から雷は苦手だったが、公爵家の大きな屋敷と、この古びた木造の小屋では、感じる怖さは桁違いだ。



