婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

 簡素な造りだが、中は思っていたよりは広い。でも古いものらしく、木の窓枠は外れかかっていた。風が吹くたびに、がたがたと音が鳴り響いている。床も、足を踏み入れるたびにぎしりと軋んだ。
(大丈夫なのかしら?)
 古い木造の建物を、少し不安に思う。
 中に入ってよく見渡してみると、先に何人かの旅人が雨を避けて逃げ込んでいた。
 少し人相の悪そうな男達だ。
 サーラはアリスの手をしっかりと握ったまま、心なしかルースのほうに近寄る。男達はサーラとアリスを見てにやついた顔をしていたが、ルースの姿を見るとさっと視線を反らした。
 何だ、男連れか。
 そう呟く声が聞こえて、思わず身を固くする。
 彼らにしてみれば、ちょっと声をかけてみようか、と思ったくらいだろう。でも深窓の令嬢だったサーラにとって、見知らぬ男性に声をかけられるというだけで、かなり怖いことだ。
(ルースさんが来てくれて、本当によかった……)