婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

 必死に歩きながら思案していると、アリスと繋いでいた手に、ぎゅっと力が込められた。
「アリス?」
 寒いのだろうか。
 気にして足を止めると、アリスは少し思い詰めたような顔をして、ごめんなさい、と言う。
「わたしが、ジャムを選ぶのに時間をかけてしまったから」
 そう言うアリスに、サーラは慌てて首を振る。
「そんなことはないわ。むしろ、わたしが歩くのが遅かったせいよ。だから気にしないで」
 互いに謝り、相手のせいではないと否定して、思わず顔を見合わせて笑う。やはり育った環境のせいで、普通の子どもよりも大人びている。
アリスは、自分によく似ている。
 彼女にもそれがわかったのだろう。ふたりは顔を見合わせて、少しだけ笑った。
「あの大きな木の下で、少し雨宿りをしましょう」
 サーラはそう言って、アリスとともに大きく枝を茂らせた木の下に逃げ込む。帰りが遅くなったら、孤児院では心配するかもしれない。でもこのまま闇雲に急いだら、足を滑らせて転んでしまいそうだ。