婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

 だがその人嫌いは徹底しているようで、キリネともほとんど会話することもない。
 彼は、どんな事情を抱えているのだろう。
 キリネなら何か知っているだろうが、それを聞くことはできなかった。
 サーラだって、過去のことを誰かに探られたら嫌だと思う。自分が嫌なことを、他の人にすることはできない。
 だからルースとの関係は、このまま当たり障りのない状態が続けばいいと思っていた。

 この日は朝から風が強く、キリネはしかめっ面で空を見上げながら、午後から天候は荒れるだろうと言っていた。
 彼女のこういった勘は、当たることが多い。
 それを知っていたので、今日は朝の洗濯物は建物の中に干して、早めに買い物に行くことにした。
 普段なら買い物は、雑用係のルースがすべてやってくれている。でも、今日の外出には特別な目的があった。
(アリスを少し、連れ出してあげよう)
 そう思っていたサーラは、キリネにそれを告げて許可を取る。それから最年長のアリスという少女を呼び出し、買い物を手伝ってほしいと告げた。