婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

 ルースを探して、孤児院の裏口に向かう。
 彼の姿はすぐに見つかった。
黙々と薪を運んでいる姿に、どのタイミングで声を掛けたらいいのか悩む。
 そういえばサーラが話をしたことがある男性は、父親とカーティス、そして修道院の雑用係をしていたウォルトだけだ。しかも、自分から話しかけたことは一度もなかった。
(どうしよう……)
 少しルースのことが怖かったこともあり、どう声を掛けたらいいのか、どうやって近寄ればいいのかわからずに、その場に立ち尽くしていた。
「……俺に何か用か?」
 どれぐらい、そうして彼を見つめていたのだろう。
 薪を運び終わったルースが、少し呆れたような顔でこちらを見て、そう言った。
「あ……」
 たしかに、ずっとこんなところで彼を見つめていたら、不審に思われても仕方がない。
サーラは早く用件を伝えなくてはと、焦る。
「あ、あの……。こ、こむぎ……」
 だが焦りと緊張で、うまく話すことができない。
 恥ずかしくて涙目になったサーラに、ルースはゆっくりと近寄ってきた。