婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

 この町に住んでいて、家には子どもがふたりいるらしい。
 彼女もまた親切で、手伝いにきたのに掃除も料理もまともにできないサーラを叱りながらも、丁寧に仕事を教えてくれた。
「今まで、自分で洗濯をしたことがなかったのかい?」
「修道院では、少し。でも、まだまだです。これからしっかりと覚えます」
「ああ、あんたは隣町の修道院から来たんだったね。なら、仕方がないさ。でもお嬢様にこんなことをさせてもいいのかね」
 隣町の修道院にいるのは、訳ありの貴族の女性ばかりだということを、キリネも知っているようだ。
「もちろんです。わたしはお手伝いをするために来たのです」
 きっぱりとそう言うが、教わることばかりで、むしろ邪魔になっているかもしれないと少し落ち込む。
 でもキリネは最初からできる人なんていないんだから、できるようになってから役に立ってくれたら充分だと笑ってくれた。
 本当に、優しいひとだった。