婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

 女性のひとり歩きは危険だと諭されたが、それを思うと、とても明日まで待つ気にはなれなかった。
 ローブを深く被り、高い靴を履いて背を誤魔化す。女性だとわからないような恰好をして、今日のうちに孤児院に向かうことにした。
 これでもし明日もカーティスが来たとしても、そこにサーラはいない。
 あとから考えれば無謀なことだし、人にも危険だと叱られた。
 自分でも無謀だったと反省している。王都とは違い、この辺は夜になると物騒らしい。でもこのときは、カーティスから逃げることしか考えられなかった。せっかくこの修道院に来て少しは自由になれたと思っていたのに、まだ過去の悪夢に付きまとわれていることに耐えられなかった。
運が良かったのか、このときは用心したお陰もあって、何事もなく隣町に辿り着くことができた。
(よかった……)
 サーラは街の片隅にある孤児院を見つけ、ほっと息を吐く。カーティスから離れたことで、少し気持ちが楽になっていた。
(今日からしばらく、ここで暮らすのね)