婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

 元々、前皇帝の側近だった彼の力は、新皇帝になったあとに少しずつ衰退していた。この事件をきっかけに彼の派閥は崩壊し、リナン王国とのいざこざもあって、帝国内はかなり騒がしくなっていた。
 ルーフェスも、ますます忙しくなっていた。
 彼の謹慎を解くことを、レナートは正式に発表した。
 今でも最愛の恋人であるエリーレの兄ルーフェスを、皇帝は今後、重用するだろう。
 ピエスト侯爵がいない今、それを妨げる者はもういない。
 彼の周辺に人が群がるようになり、元々人嫌いのところがあるルーフェスは、かなり疲弊しているようだ。
 そんなある日。
 サーラはルーフェスとともに、レナートに呼び出された。
 彼もまた、以前よりも疲れた顔をしていたが、心なしか穏やかになったような気がする。
 そんなことを思っていたサーラに、レナートは語りかける。
「公爵家の当主がいつまでも独身では、何かと不都合だ。私に遠慮せずに、婚約だけでも先に発表してしまうといい」
「えっ……」