婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

 アリスと一緒に買い物に出かけたとき、突然の雷雨に戸惑って、よりによって木の下に逃げ込んでしまったことがあった。
 そのとき助けに来てくれたのが、ルーフェスだ。
 恋なんてしたことがなかったから知らなかったけれど、あのときからずっと、彼に恋をしていたのかもしれない。
「わたしもよ。ルーフェスが助けてくれなかったら、わたしはここまで辿り着けなかった。これからは、わたしがあなたを支えるわ」
 ティダ共和国でようやく手にした、平穏なしあわせ。国にも父にも縛られずに、自由に生きることができるだろう。
 でも、ひとりきりだ。
 孤独には慣れているはずなのに、今はもう、ルーフェスのいない生活など考えられない。
「ティダ共和国で身分を捨てたから、わたしはただのサーラとして、あなたと一緒にここで暮らすことができるわ」
リナン王国も、父も、もうサーラとは何の関係もない。
「公爵家の当主とただの平民では、釣り合いが取れないかもしれないけれど……」