婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

 涙が零れ落ちて、冷たい床の上に小さな染みを作った。
 こんなにも悲しげに泣いているのに、彼女に後悔しているような素振りはなかった。
 罪を悔いているのではなく、自分の境遇を憐れんでいるのでもない。
「どうして、エリーレを殺した?」
 ルーフェスの問いかけに、マドリアナはすぐに答えなかった。
 沈黙が続く。
 サーラはそっと、ルーフェスの背に手を添えた。
 自分の妹が殺されてしまった理由を知るのは、とてもつらいだろう。
「……許せなかったの」
 どのくらい、時間が経過したのだろう。
 やがて彼女は、ずっと秘めていた思いを吐き出すように、強い口調でそう言った。
「わたくしがどんなに望んでも得られなかったものを、簡単に手にすることができるのに。それを、あの子は素直に受け取ることもせずに頑なに固辞していたわ。それが、どうしても許せなかった……」
 マドリアナの瞳に、深い絶望が宿る。
 それはあまりにも昏く深く、見ているだけでその闇に引きずり込まれてしまいそうだ。
「エリーレが、いったい何を」