婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

 彼を見上げると、考え込むような表情を見せていたルーフェスは、レナートに向かってこう告げた。
「マドリアナに会わせてくれないか。何故、妹を殺したのか。俺は、その理由が知りたい」
 レナートはあまり気が進まなかった様子だが、それでもルーフェスの望みを叶えてくれた。
 だが、彼自身はマドリアナの顔は見たくもないらしい。
 サーラはルーフェスとともに、皇帝の騎士に導かれてマドリアナが幽閉されている地下牢に向かうことになった。
 厳重な扉をいくつも潜り抜けて、石段を下りていく。
 そうして辿り着いた地下牢は、暗闇に支配されていた。
 明かりは騎士の掲げるランプだけで、足もとさえもよく見えない状態だ。ルーフェスが手を取ってくれなかったら、足を踏み外していたかもしれない。
 だが宮廷内にある地下牢なので、それほど劣悪な環境ではない。
 それでも、少し前まで皇太子妃だった彼女にとって、耐えがたい場所であることは確かだ。