婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

「……どうして、彼女は」
「サーラ?」
 思わず呟いた言葉は、ルーフェスに届いていたようだ。
「すみません。彼女の動機が何だったのか、気になってしまって。父親に命じられたのでしょうか」
 以前の自分のように、父親に命じられたままに動く人形だったのではないか。だとしたら、その罪を彼女だけに背負わせるのは、酷ではないか。そう思ってしまった。
 だが、レナートはそれを否定した。
 実行犯の侍女は、ピエスト侯爵ではなくマドリアナに命じられたのだと証言していた。
 そしてピエスト侯爵もまた、娘と同じように取り調べを受けることになったが、いくら調査してもその言動に矛盾は見つからなかった。
 彼自身も、娘のしたことにかなり動揺している様子だった。
「間違いなく、彼女自身の意思だろう。それほどまでに、皇妃という地位に執着していたのかもしれない」
 たしかに、マドリアナが害したのは皇太子であるレナートの傍にいた女性ばかりだ。