婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

 それを知ったレナートは絶望し、そのままマドリアナを地下牢に捕えた。
 エリーレを友人だと言い、涙を流していた彼女こそが、エリーレを殺害した真犯人だったのだ。
 たとえ彼女が皇太子妃でも、自分の妻でも、絶対に許すことはできないと思った。

 サーラはルーフェスの傍で、ふたりの話し合いを静かに聞いていた。
 一度体調が回復したエリーレを、再び宮廷に行かせてしまったこと。
 マドリアナとお茶会をしていたことを知りながら、それを阻止することができなかったこと。
 ふたりの後悔は、そのことに集中していた。
 たしかに、そのふたつを防ぐことができていたら、ルーフェスの妹を死ななかったのかもしれない。
 でも、どちらも彼女自身が望んだことだ。
 確たる証拠がなかったあの当時に、防ぐことはできなかった。
 ふたりとも、それをよくわかっている。わかっていても、後悔とはまた別のことなのか。
 エリーレという女性は、それだけ深く愛されていた。
 それを間近で見ていたマドリアナは、どんな心境だったのだろう。