婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

 そうしてエリーレが亡くなってしまってから半年が過ぎ、レナートは皇帝である父の命令で、彼女を皇太子妃として迎えることになった。
 本当は、エリーレと挙げるはずだった結婚式だ。
 たった半年で、彼女を忘れられるはずもない。
 父の命令とはいえ、レナートには苦痛でしかなかった。
 マドリアナは皇太子妃に相応しく、人前ではしあわせそうに微笑んでいたが、レナートの前では同じように、エリーレを思って涙を流していた。
 あれほど愛した人を、すぐに忘れる必要はないと言ってくれた。
「父にはわたくしから、上手く言っておきます。ですから、心配なさらないでください」
 そう言ってくれたのだ。
 半年ほどは形だけの結婚になってしまったが、そんなマドリアナだったからこそ、レナートも少しずつ彼女のことを受け入れることができた。
 だが結婚してから二年が経過しても、ふたりの間に子どもを授かることができなかった。
 マドリアナの父であるピエスト侯爵は焦っていたが、こればかりはどうすることもできない。