婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

「あなたにとってはそうかもしれないが、ルーフェスにとっては、とても大きなことだった。お陰でようやく、彼に謝罪することができる」
 レナートはそう言うと、ルーフェスに向き直り、声を震わせてこう言った。
「すまなかった。大切な妹を預けてくれたのに、必ず守ると誓ったのに、私は、それを果たすことができなかった……」
 尽きることのない悔恨が、その言葉から溢れ出ている。
 彼はルーフェスの妹を、本当に心から愛していたのだろう。
 それほどまで大切だった人が病死ではなく、殺されてしまったのだと知ってしまい、レナートは公平無私な皇帝でいることができなくなってしまったのだ。
「どうして、彼女の仕業だとわかったのでしょうか」
 ルーフェスは平静を保っているように見える。
 でも、平気なはずがない。
(傍にいるから)
 そんな想いを込めて、そっと彼の手に触れる。
 サーラは完全に部外者だが、ルーフェスの傍を離れるつもりはなかつた。彼もそう望んだからこそ、わざわざサーラの部屋にレナートを連れてきたのだろう。