婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

「どうぞ、こちらでゆっくりとお休みください」
 そう言って彼女が紅茶を淹れてくれたので、サーラは少し落ち着かないような気持ちになりながらも、ゆっくりと香りを楽しみながら紅茶を飲んでいた。
 そうしているうちに部屋の扉が叩かれ、女性が対応してくれた。
(ルーフェス?)
 思っていた通りに訪ねてきたのはルーフェスだったが、なぜか背後には先ほど別れたはずの皇帝の姿があった。
 サーラが慌てて立ち上がると、レナートは手を上げてそれを制する。
「ゆっくり休めと言っておきながら、すまない。だが、あなたにはどうしても礼を言っておきたかった」
 彼はそう言うと、先ほどとは比べものにならないほど穏やかな瞳で、サーラを見つめた。
「お礼、でしょうか」
「ああ。ルーフェスが、あなたがいなかったら帰国する決意がつかなかったと言っていた。彼を連れてきてくれたことに、心から感謝する」
 誠意のこもった言葉に、サーラのほうが慌ててしまう。
「いえ、私はただ、ルーフェスの傍にいただけです」