婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

 レナートには、間違ったときには恐れずに彼を諫め、意見を言える人間が必要なのだ。
 きっと、ルーフェスのような。
「長旅で疲れたであろう。今日はこの宮廷でゆっくりと休むがいい」
 皇帝との対面はそれだけで終わり、サーラとルーフェスは宮廷にある客間に通された。部屋は別だが、隣のようだ。
 サーラは湯あみをしてから、侍女によって着替えさせられた。
(ドレスなんて、久しぶり……)
 もう貴族ではないが、宮廷に滞在している以上、平服でいることは許されないのだろう。
 リナン王国とは流行も違っているようで、あまり装飾のない大人びたデザインのドレスだった。
 その代わり髪型には凝るようで、サーラの金色の髪も艶やかに磨かれて綺麗に編み込まれ、美しい宝石のついた髪飾りをつけていた。
「とてもお綺麗ですよ」
 サーラの身の回りの世話をしてくれたのは、優しい笑顔の壮年の女性で、そう言って鏡の前に立たせてくれた。
 淡いブルーのドレスに大きなエメラルドの髪飾りをつけた姿は、自分でも驚くほど大人っぽく見えた。